【© Tim Holmes】全てのF1マシンがほとんど似たような形状になっている現代、ルックスの個性を決定づける要素はカラーリングしかないのではないだろうか？Force Indiaがそれまでの黒いドレスを脱ぎ捨てて新たにピンクのガウンを羽織ることになったのも、McLarenがチーム創立時の伝統に由来するオレンジにカラーリングを変更したのも、マシンに個性を求めるファンたちの声が活かされた結果だ。F1ファンに選択権を与えれば、彼らの多くがお気に入りのチームが纏うべきカラーリングについて様々な意見を述べるだろう。しかし、全てのファンがアーティスティックな才能に恵まれているわけではない。しかし、F1に対する愛情をネクストレベルに高めてしまったひとりのF1ファンがここに存在する。彼の名はティム・ホームズ。英国でデザイナーとして活躍している彼は、架空のマシンカラーリングデザインをデジタルイメージに書き起こしては、友人たちとシェアして楽しんでいた。そして、2015シーズン開幕前にMcLarenがグレーと蛍光オレンジのカラーリングを発表すると、ホームズは自らの手でこの凡庸なカラーリングを自分の美的感覚により近づけようと決心した。「McLarenの凡庸なカラーリングに少しがっかりした僕は、それなら自分でやってみようと考えたんです。誰もがオレンジを取り入れた、もっと速そうに見えるカラーリングを望んでいました」とホームズは当時を振り返る。それ以来、彼が手がける架空のマシンカラーリングは多くのファンやドライバーの注目を集めるようになっている。ルイス・ハミルトンやニコ・ロズベルグも、自分たちのヘルメットデザインをテーマにした架空のカラーリングを大いに気に入っているという。